合葬墓の注意点とは

注目といいつつ・・・こんなはずでは「合葬墓」の注意点という記事がインターネットに上がっていたので考えてみたいと思います。

【注目といいつつ・・・こんなはずでは「合葬墓」の注意点】

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000156889.html

まず、「合葬墓」とは何なのか?について考えてみたいと思います。

一家にひとつづつ(場合によっては個人にひとつ)あるお墓が通常のお墓だとすると、この「合葬墓」は複数の人達が一斉に祀られているイメージでしょう。普通のお墓が一戸建て、お寺などでの合祀がマンション、この「合葬墓」は旅館の大部屋や寄宿舎、健康ランドのような、赤の他人と肩寄せ合って固まっているイメージです。

ではなぜこの「合葬墓」が注目なのかというと、ズバリ、非常に安い価格が最大の魅力です。お墓は買うのも非常に高いうえ、好立地の墓地は抽選や順番待ちなど非常に取得までに手間ひまが掛かります。逆に、新興の墓園などはすぐ手に入るのですが、場所が遠く交通が不便な位置だったりと、なかなかハードルが高いという面もあります。

また、お墓参りをするのにも花を買い、線香を用意し、清掃道具や草とり道具などフルセットで携えて向わなければいけません。

それが「合葬墓」ならお墓そうじの心配もいりませんし、ある程度交通の便が良い墓地に埋葬できるというのも生きている人々にとって大きなメリットになるのかもしれませんね。

これら「合葬墓」が注目される背景は、やはり時代の変化が原因で、家族の縁というものも直近の親に対する思いも希薄になりがちな昨今、祖父母や先祖に対する思いやイメージというものは全く無いというのが本音なのかもしれません。「うーん、そういう先祖がいたっていう事は知っているけれど、全然ピンとこないんだよね」というのが偽らざる気持ちなのかもしれません。

加えて、現在の住宅事情はコンパクトに住む事が求められ、かつ親と離れて暮らす事に価値が求められ、家を繋いでいくために最低限必要な3世代同居する事が、そもそもできない環境下で暮らしている方が多いのだとも感じます。

家のシンボルであるお墓の重要性がどんどん低下している原因は、やはりこういう事なのだと思いますし、だからこそ、赤の他人と合葬になったとしても、生きている人達に負担の少ない「合葬墓」が注目されているのだと感じます。

では、そんな注目の「合葬墓」が、なぜ気を付けなければいけないのか?こんな筈では・・・と後悔してしまうのか?それについてはとても興味深い結果になっています。

「合葬墓」のどんな事が「こんな筈では・・・」なのか?主な項目としては

1:墓じまいして引っ越すのに意外と費用がかさむ

2:合葬墓からお骨を出そうとしても出す事ができないケースがある

3:墓参する時どこに手を合わせるか迷う

4:供養してくれるわけではない

なのですが、見事に「合葬墓」が安価である主要因に対して困惑しているケースがあるんですね。先ほども言いましたが、これは興味深い結果だと思います。

例えばお骨を出そうとしても出ないケース。こちらは(言い方は少々乱暴ですが)誰彼構わずお骨を格納するから手間が掛らない=安価で済むという関係性がある事は必然ですし、もし誰がどこに格納されているのか判別できるようにし、比較的容易に取り出す事ができるようにするには、大きな経費を掛けてそのように整備しなければいけません。

墓参する時どこに手を合わせるか迷う、という点は先ほどの件に繋がるのですが、これもどこに誰が格納されているのか分からない事によって起こる問題です。

注目の「合葬墓」に関しては、メリットとデメリットをよく考えて、親はもちろん先祖に思いを馳せて決断した方が賢明なのかなと感じました。