空き家は宝か"負動産"か

空き家は宝か"負動産"か街の未来を変える「空き家問題」の前途

https://logmi.jp/business/articles/320967

という記事がウェブ上に上がっていたので考えてみたいと思います。

まず、地方創生とセットで考え、それを実現できる人材を育成していく、という事ですが、これは素直に賛同します。

これは全国各地、津々浦々、どこでも問題意識として挙がっている事で、とりたてて新しい考え方ではないのですが、それを本気で動かそう、実行しよう、という観点で話をされている方は、けっこう稀なのかなと感じました。

まちの規模としては小さい所が成果としては上がっていて、中堅クラスのまちではなかなか成果が出ないとおっしゃっています。

これは地方に住む者として非常に納得です。中堅クラスのまちは、なまじ中堅なだけにまち全体での危機意識が足らないという事と、見えない利権のようなものが非常に複雑に絡み合っていてどこから手を付けていいか分からない、下手に手を出そうものなら住民の大反対や妨害などを受けて頓挫してしまう、というケースが容易に予想されます。

少人数で自力ではどうしようもない事を嫌という程認識している小さなまちほど、新しい動きに対して逆にコンセンサスを得られやすいのかな、と感じました。

次に空き家はマネタイズ(現金化)が難しいという問題。議論ではサブリースなどについて有用性が話されていました。

これは積極的な賛成ではないですが、確かにそういうシーンしか利益を上げていく事は難しいのかな、個々で動いてはスケールメリットなども見いだせないのかな、と感じています。

手数料商売という不動産業の仕組みをどう変えていくかというのは今後の課題なのでしょうが、そういう大きな仕組みを打ち壊して新たな可能性を見出す事は本当に簡単な事じゃありませんし、昨今のニュースなどで取りざたされているように、サブリースは悪徳商法などの危険性もはらんでいるのは確かですが、これは素人が太刀打ちできない問題でもあり、シッカリと精査した不動産のプロに委任するというのは現状では仕方ない事なのかなと感じました。

そして空き家を活用してのまちづくりです。これは可能性あるなと感じました。

空き家を利用して障がい者施設や高齢者施設などを誘致し、そういうまちを作り上げ、コンパクトシティの更にコンパクトなものを形成し、その中である程度利便性を上げていくという流れは、一見可能性高そうだなと感じる事ができました。

ただ、この流れでまちづくりが立ち上がったとしても、最終的にはいびつな住民構成になり、長く続いていくまちにはなりにくいのかなというのは記事にもありましたし、私も地元の古い大規模住宅地を見ていて思っていた事でした。

次に大きな核となる施設。廃校や廃工場などの再利用を成功させるには、円滑なコミュニケーションによって、文化を受け継ぎつつも、しっかりマネーの仕組みは整えるというご意見が記事には載っていますが、これは少し違和感を感じました。

大きなまとまった空間を利用するのならば産業の拠点として使わなければ勿体ないな、と。核になる産業があってそれに従事する住民がいて、町が形成されていく、という無理のないまちの発展や継続の仕方はやはり不動の安定感なのかなと感じました。

「いやいやその産業が衰退したからまちが寂れて空き家が増えたんだろう」というご意見もあろうかと思います。もっともです。だから、そういった核になる大規模な床面積を持つ施設を安価に貸し出して産業を呼び込み(あるいは創成し)まちを形成していく方法を模索する事は、他の様々なトリッキーな手法と比べても全然可能性が高い事なのかなと感じています。

移住じゃなくて交流人口系。という言葉で記事はまとめられています。

無理なくまずは動いてみる、そういう事には最適なアクションなのかなと感じました。

いずれにせよ、多くの地方で問題になっている空き家問題を解決する方法が早く見つかるといいですね。

それまで、空き家の見回り管理はわれわれのサービスで社会貢献活動として利用して下さればあ幸いです。