空き家活用起業ファンド

空き家活用起業の支援ファンド設立という記事がアップされていたので取り上げてみたいと思います。

"空き家活用起業の支援ファンド設立" 朝日新聞DIGITAL

https://www.asahi.com/articles/CMTW1904152200003.html

設立された地域は【飛騨高山】でして、岐阜の中部、山の中で朝市などで有名な観光地、というイメージでしょうか?高山祭りと呼ばれるお祭りには屋台と呼ばれる山車が出て華やかなお祭りだなーという印象でした。

飛騨高山観光公式サイト

http://www.hidatakayama.or.jp/

観光地・飛騨で空き家ファンドを立ち上げたのは地元の信用金庫である高山信用金庫が主体となっています。

やはり地元に根付いた金融機関は、地域の中小零細企業などの事情をよく知り、その問題点も客観的に把握しているところが多いのでしょうから、こういった地域の社会問題を解決するには欠かせない存在だと言えます。

具体的にどうするかというと、飛騨高山の空き家を利用して、観光や飲食業を行う事業者には投資という形で資金を用意し地域の発展に寄与するという流れです。

投資という形を取る事で、借入のように最初から元本の返済を迫られることなく、事業に専念できるメリットがありますが、逆に金融機関から見た場合は貸付ではなく投資であるので、非常に大きなリスクを背負うと共に事業計画へ意見を出しやすい環境なのかなとも考えられます。

しかし大事なことは、事業の発展と継続であるはずなので、ある程度長期的な投資と割り切って資金提供してくれるのでしょう。

空き家の利活用は今まであまり実施されてこなかった事だけに、きっと誰もが手探り状態であると思います。

その際、貸付ではなく投資であるという資金提供は本当にありがたいのかなと素直に感じます。

また、飛騨高山という地域柄なのか観光及び飲食業という業種に絞っているのも興味深いです。

地域の産業と連携が取りやすいうえに業種を絞る事で投資の審査もより深くする事ができるのだと思います。

逆に言えば、相当事業計画を練った上での申請でないとなかなか審査は通らないのかもしれませんね。

しかし、事業の内容について深く考えずに安易な起業をしてしまい、結果失敗をして人生を狂わせてしまうよりも、しっかりした審査の上で自分の描いた事業計画が投資に足るものなのか無料で審査してくれるのです。

仮に、その事業計画が認められずに審査を通らなかったとしても、それはそれで実力不足や計画性の甘さを事前にアドバイスしてくれたと思えば、非常に安いチェックコンサルティングになるのではないでしょうか?

実際、事業が上手く行かなかった時には、貸付ではなく投資という立場の信用金庫も、そのお金が返ってこない場合まる訳ですから、もしそうなれば多大な損失を被る訳で、これは起業家と信用金庫、本気と本気のガチンコ勝負なのではないかと感じます。

それではこの辺でまとめたいと思います。

飲食店や観光施設に特化しての投資というのは、飛騨高山という特性を活かした空き家対策であり、貸付ではなく投資であるというのは、この地域を身を切って盛り上げていくぞ、という気概のようなものを感じます。

こういった取り組みは、日本中様々な地域で応用できるスキームであると感じますし、観光を軸にした飛騨高山の取り組みを自身の地域に応用するならばどうすれば・・・という視点で考えていくと、何だかアイディアがドンドン湧いてくるのではないでしょうか?

空き家や空き店舗が面白くて素晴らしい起業家に借りられて地域が発展するのを、そんな成功事例が日本で話題になるのを、願ってやみません。